CSPI-EXPO建設機械展の見学記
- 2022/05/31
- 14:24
コロナ禍でここ2年ほど多くの学会や展示会が中止またはオン・ライン開催に変更になりました。そんななかCSPI-EXPO第4回が幕張メッセで”ほぼ完全復活開催”されることとなり、取引先の出展や業界動向の偵察を兼ねて出掛けてきました。
展示は屋内と屋外があり、実演は屋外で行われます。
屋内展示場

CSPI-EXPOとはConstruction&Survey Productivity Improvement 日本語では建設測量生産性向上展と併記されています。一言で云えば土木測量機械のIT化展で、IT実装機でインターネット環境を利用できる機械をICT機械、それらを使用した土木建設工事をスマート・コンストラクションという・・・多分です。
この辺りの能書きはスマート農業と同様ですが、農業の2次元ガイダンスに対して、こちらは3次元となり、精度は1-3㎝が要求されます。出展社は農業ではトラクターやコンバインメーカですが、こちらはブルドーザや油圧ショベル(バックホー)など建機メーカが中心です。
屋外実演(大型バックホー)

大型油圧ショベル(バックホー)
運転台が回転し、オペレータはモニターに表示されるショベルの先端の位置(3D地形)と設計図を見ながら細かく操作(ガイド)します。建機後部に2台取り付けられているのはGNSS-RTK受信機。2台の位置からショベル方位角を計算し、油圧ショベルの可動部に取り付けられた複数の腕部の角度センサーによりショベルの刃先をcm精度で制御することができます。
GPS受信機2台

ショベル部分

中型機械のICT化
大規模現場の大型機械にはGPS、方位センサー、傾斜計、ジャイロ・エンコーダ、無線機やWifiなどが目的に応じて装備されています。しかし大型機械の活躍する現場はダム、高速道路、鉄道など限られています。
このため市街地でのインフラ工事では中型機械の需要は多いのですが、機材が高価なためICT化にはハードルが高かったようです。
この辺りはスマート農業が北海道の大規模農家の大型“外車”トラクターから始まり、今や国産の中型トラクター、コンバインへとすそ野が全国に広がった展開と似ています。
屋内にはこのような中型油圧ショベルにも実装可能な機器を数社が展示していました。以下に紹介するのは、弊社の取引先であるUniStrong Japanの販売製品です。

バックホーの油圧ショベルは運転席と一体となって回転します。従ってその刃先の位置出しには回転中心とショベルの腕部の長さと傾斜角が必要になります。このため一般的にはRTK-GPSを2台使用し、そのベクトルから方位を求めています(前述)。方位を求めるには2台のGPSアンテナの距離が長い方が有利です。小型の機械の場合、アンテナ距離が短くなり安定した高精度方位を得るのが難しくなります。

この展示機にはセパレートアンテナ2個の代わりにVR500という70㎝の長楕円形のGPSコンパスが取り付けられ、コンパクトながら位置と方位を高精度で出力することができます。このため他社に比べて多くのアドバンテージがあります。(弊社取扱製品)
担当者によると大きな手応えがあったということでした。

ドローンの活用
業界のもうひとつの目玉はドローンです。現在の測量はドローンを飛ばして高精度のスキャン画像から3D地図を起こします。スマート・コンストラクションでは、その地図に3D設計データを重ねて、3Dガイダンスによる工事を行います。このため多くの現場の測量にはドローンは必須になっています。
農業の場合は肥料や薬剤散布の効率目的で使用されることが多いため、パワー重視の傾向があります。測量では高性能スキャナーを搭載したドローンで1,000万以上するものが珍しくありません。

面白そうなロボット
以下の2枚の写真は4足歩行犬型ロボットです。
様々な機器が取り付けられるようで、今回の展示では3Dスキャナーが取り付けられていました。

車両で伏せの体制から自立し撮影したら戻って来て伏せ。
台車が犬小屋のイメージです。

展示会の印象
スマート・コンストラクションでは3Dデータをより高精度で利用しています。
一方、農業では2Dデータの属性管理により精密農業への利用が進んでいます。
スマート農業に参入しているメーカはトラクターやコンバインメーカが中心ですが、コンストラクションにも参入しているのは
クボタしか見掛けませんでした。農業に比べると精度は倍くらいを要求され、これから熾烈な技術競争が予想されます。
主催者の後日の発表では3日間で約40,000人の来場者がありました。
<記事責任 ホッカイグマ>
展示は屋内と屋外があり、実演は屋外で行われます。
屋内展示場

CSPI-EXPOとはConstruction&Survey Productivity Improvement 日本語では建設測量生産性向上展と併記されています。一言で云えば土木測量機械のIT化展で、IT実装機でインターネット環境を利用できる機械をICT機械、それらを使用した土木建設工事をスマート・コンストラクションという・・・多分です。
この辺りの能書きはスマート農業と同様ですが、農業の2次元ガイダンスに対して、こちらは3次元となり、精度は1-3㎝が要求されます。出展社は農業ではトラクターやコンバインメーカですが、こちらはブルドーザや油圧ショベル(バックホー)など建機メーカが中心です。
屋外実演(大型バックホー)

大型油圧ショベル(バックホー)
運転台が回転し、オペレータはモニターに表示されるショベルの先端の位置(3D地形)と設計図を見ながら細かく操作(ガイド)します。建機後部に2台取り付けられているのはGNSS-RTK受信機。2台の位置からショベル方位角を計算し、油圧ショベルの可動部に取り付けられた複数の腕部の角度センサーによりショベルの刃先をcm精度で制御することができます。
GPS受信機2台

ショベル部分

中型機械のICT化
大規模現場の大型機械にはGPS、方位センサー、傾斜計、ジャイロ・エンコーダ、無線機やWifiなどが目的に応じて装備されています。しかし大型機械の活躍する現場はダム、高速道路、鉄道など限られています。
このため市街地でのインフラ工事では中型機械の需要は多いのですが、機材が高価なためICT化にはハードルが高かったようです。
この辺りはスマート農業が北海道の大規模農家の大型“外車”トラクターから始まり、今や国産の中型トラクター、コンバインへとすそ野が全国に広がった展開と似ています。
屋内にはこのような中型油圧ショベルにも実装可能な機器を数社が展示していました。以下に紹介するのは、弊社の取引先であるUniStrong Japanの販売製品です。

バックホーの油圧ショベルは運転席と一体となって回転します。従ってその刃先の位置出しには回転中心とショベルの腕部の長さと傾斜角が必要になります。このため一般的にはRTK-GPSを2台使用し、そのベクトルから方位を求めています(前述)。方位を求めるには2台のGPSアンテナの距離が長い方が有利です。小型の機械の場合、アンテナ距離が短くなり安定した高精度方位を得るのが難しくなります。

この展示機にはセパレートアンテナ2個の代わりにVR500という70㎝の長楕円形のGPSコンパスが取り付けられ、コンパクトながら位置と方位を高精度で出力することができます。このため他社に比べて多くのアドバンテージがあります。(弊社取扱製品)
担当者によると大きな手応えがあったということでした。

ドローンの活用
業界のもうひとつの目玉はドローンです。現在の測量はドローンを飛ばして高精度のスキャン画像から3D地図を起こします。スマート・コンストラクションでは、その地図に3D設計データを重ねて、3Dガイダンスによる工事を行います。このため多くの現場の測量にはドローンは必須になっています。
農業の場合は肥料や薬剤散布の効率目的で使用されることが多いため、パワー重視の傾向があります。測量では高性能スキャナーを搭載したドローンで1,000万以上するものが珍しくありません。

面白そうなロボット
以下の2枚の写真は4足歩行犬型ロボットです。
様々な機器が取り付けられるようで、今回の展示では3Dスキャナーが取り付けられていました。

車両で伏せの体制から自立し撮影したら戻って来て伏せ。
台車が犬小屋のイメージです。

展示会の印象
スマート・コンストラクションでは3Dデータをより高精度で利用しています。
一方、農業では2Dデータの属性管理により精密農業への利用が進んでいます。
スマート農業に参入しているメーカはトラクターやコンバインメーカが中心ですが、コンストラクションにも参入しているのは
クボタしか見掛けませんでした。農業に比べると精度は倍くらいを要求され、これから熾烈な技術競争が予想されます。
主催者の後日の発表では3日間で約40,000人の来場者がありました。
<記事責任 ホッカイグマ>